生き物はどのようにして動くのか?単細胞生物のみならず大型の動物の運動も,その動く仕組みの基本は生体を形作っている個々の細胞の中に潜んでいる.真行寺研究室では,主にウニの精子鞭毛と魚の色素胞について,それらの運動制御機構を独自の生理学的手法を用いて解明することを目指している.
鞭毛を用いた研究:鞭毛は周期的振動運動を行うが,その周期性はモータータンパク質ダイニンの動きが鞭毛全体の動き(変形による力)に反応して自律的に制御されることにより生み出され,これが発振装置の基本となるらしい.この振動の自律制御,およびダイニンの力感知の機構解明を通して生き物の「動く」仕組みの原理に迫ることを目指す.
また,精子の遊泳方向の制御に重要な細胞内カルシウム調節機構について,膜ラフトタンパク質の役割に注目した解析を進めている.
ゼブラフィッシュ黒色素胞を用いた研究:色素胞内の色素顆粒の輸送制御により体色変化が起こる.この輸送に関わるダイニン,キネシン,ミオシンVの運動制御,および体色変化の視覚情報を介した制御に注目し,鞭毛よりも複雑な系としての色素胞における運動制御機構の解明を目指す.
超微細形態の観察と理論的考察:超微細形態からの運動機構の理解と運動の理論的考察も共同研究により進めている.
Shingyoji, C., Higuchi, H., Yoshimura, M., Katayama, E. and Yanagida, T. (1998) Dynein arms are oscillating force generators. Nature. 393: 711-714.
Nakano, I., Kobayashi, T., Yoshimura, M. and Shingyoji, C. (2003) Central-pair-linked regulation of microtubule sliding by calcium in flagellar axonemes. J. Cell Sci. 116: 1627-1636
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Hayashi, S. and Shingyoji, C. (2008). Mechanism of oscillation– bending-induced switching of dynein activity in elastase-treated axonemes of sea urchin sperm. J. Cell Sci. 121: 2833-2843.
Ueno, H., Yasunaga, T., Shingyoji, C. and Hirose, K. (2008) Dynein pulls microtubules without rotating its stalk. Proc. Natl. Acad. Sci., USA 105: 19702-19707.
